「結城友奈は勇者である」について色々

 

 

ようこそ!ジンバブエ勇者部へ!

 

【はじめに】

2017秋クールより、『結城友奈は勇者である』の第2期が放送されている。

正確に言うと『-鷲尾須美の章-』が前半6話、『-勇者の章-』が後半6話という構成になっている。

『鷲尾須美の章』は、『結城友奈の章』(アニメ第1期)の前日譚的な位置づけとなっており、元々はノベル原作であったものをアニメーションとして劇場公開し、それを再度TVアニメで放送しているという形である。

本記事は、『勇者の章』が放送される前に、『結城友奈の章』および『鷲尾須美の章』の振り返りや、個人的に気になること、未だ残っている謎の再確認などをするためのものである。

考察にあたって、PSゲーム『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』、アプリゲーム『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』、円盤6巻特典PCゲーム『結城友奈は勇者であるS』などからのデータを参照することもある(しかし、筆者自身はプレイ経験がなく、プレイ動画やネットから得た情報なので、そもそもの信憑性や解釈は、制作者の意図にそぐわない可能性があることは、ご了承願いたい)

また、西暦時代の勇者の物語『乃木若葉は勇者である』も僅かながらに触れている。ただ流石に要素として大きすぎるものは伏せ字(反転で読めます)にしておいた。勇者御記っぽいね!

つまりは、シリーズ通して壮絶なネタバレを含むため、注意していただきたい。

 

 

【『結城友奈の章』概略】

讃州中学2年生、結城友奈は、人のためになることを勇んで行う「勇者部」に所属していた。

しかし、ある日、樹海化なる現象が起こり、勇者部の4人は結界の中にいた。部長である犬吠埼風より、勇者部の4人は、バーテックスと呼ばれる敵が神樹の元に到達する前に制圧しなければならないことを聞かされる。

勇者部は、大赦より命を受けた風が意図的に組織したものである。同じような組織は四国の他の地域にもあったが、風曰く「私たちが当たりだった」

バーテックスの退治には、御魂(みたま)の封印という作業を行うことで完了する。

当初、襲来するバーテックスの数は12体と知らされていた。黄道12星座に由来し、バーテックスのモチーフもそれに倣っている。

正式な訓練を積み大赦から派遣された勇者・好夏も加わり、勇者部は、第5話において、すべてのバーテックスを倒すことに成功した。

しかし、その戦闘の際、夏凜を除く4人は「満開」を行い、箇所は違えど身体に何らかの支障を来してしまった

そんな中、1体バーテックスが残っていたことが判明。双子座バーテックスの片割れである。それを退治した後、友奈と東郷美森は、現実世界に戻る時の普段の屋上ではなく、大橋の近くに召喚される。そこで2人は、先代の勇者・乃木園子と出会う。

園子から以下のような説明がなされた。

大赦が人々に公表している今の世界の成り立ち(人類が滅亡寸前であること)は、未知のウイルスが原因とされているが、実はそうではない。天の神(アマノカミ)が粛清(粛正)のために遣わせた生物の頂点・バーテックスによるものである。

西暦時代、世界は彼らに突如襲われた。人類に味方する神々は集結し、一本の大樹となり、四国に防御結界を張った

その時、神の声を聞いたのが大赦である。大赦は、神樹を管理する存在である。

バーテックスが神樹に侵攻するのを防ぐため、勇者は戦う。元来、大赦に関わる名家の少女が勇者になっていたが、それだけでは賄いきれなくなり、四国全土から素質のある者を勇者にしているのが現在の状態である。また、それまで追い返すのが精一杯だったバーテックスだが、封印することが可能になったのは現在になってからである。

「満開」をするとその代償として「散華」が起こる。神の力を使う少女たちは、供物として身体の一部を神樹に捧げることになる。そして、勇者は死なない。なお、このことは、東郷が独自に検証した「勇者のサポート的存在と思われていた精霊は、勇者をお役目に縛り付け、死なせず戦わせ続けるための装置」という仮説からも裏付けられた。

満開の後遺症が治らないことを知った風は、勇者部のメンバーを巻き込んでしまったことに強い責任を感じる。さらに、満開の代償で声を失った妹・が歌手を志していたことを知り、また散華について知っているはずの大赦がいつまでも白を切る態度に耐えられなくなり、大赦を打倒しようとする。しかし、夏凜や友奈に止められた。

時同じくして、東郷は、勇者システムの残酷さにショックを受けていた。また、東郷は園子から、四国を囲む壁の向こうが完全にバーテックスに支配されていることを知らされ、且つ、自分は園子と先代勇者として共に戦っていた記憶が失われていることを知る。これ以上誰かを失いたくないという思いから、神樹そのものを壊すため、壁に穴を開けていた。

壁の向こうでは、星屑と呼ばれるバーテックスの細胞のようなものが蠢きあっており、封印したはずのバーテックスを新たに形成していた。

戦おうとした友奈であったが、東郷が抱えていた辛さに気付けなかったことで精神が不安定になってしまい、変身ができなくなってしまう。そこで立ち上がった夏凜は、4回の満開を経て、レオバーテックス以外の敵を殲滅した。

鬱状態同然だった風は、樹の戦う姿に魅せられ正気を取り戻し、東郷の説得に向かう。しかし、東郷はレオバーテックスを引き連れ、神樹のもとへ向かおうとしており、風たちを一蹴。そこへ、夏凜の勇姿を見て覚悟を決めた友奈が到着、東郷を説得。

ところが、時既に遅く、レオバーテックスから御魂が出てきたものの、無数の星屑を吸収し、あたかも太陽のようなものとなり、神樹へと迫っていた。

風、樹、東郷、そして盲目ながらも到着した夏凜は満開しながら、擬似太陽を追い返そうとする。直前に満開を行い、危機的状態だった友奈も最後の力を振り絞って、参戦。核となる御魂に決死の思いで手を伸ばし、見事粉砕した。

この戦闘により、バーテックスの襲来は暫く治まるという神託が確認され、勇者部のメンバーは供物として捧げた部分が戻り、精霊も消え、勇者としての力もなくなった。友奈の回復には時間がかかり、未だ体調が優れないこともあるが、勇者部5人の日常は、また平穏な日常を取り戻したのだった

 

 

【『鷲尾須美の章』概略】 

アニメ版と原作小説版では、若干の差異が見られるが、基本的な構成は同じである。ただ個人的には、アニメ版の方が胸熱かなと思った。

小説版には、『結城友奈の章』に至るまでの経緯がアニメよりも詳細に描かれているため、気になる方は、そちらを読んでみても良いだろう。

 

神世紀298年。神樹館小学校に通う少女たち。

鷲尾須美乃木園子三ノ輪銀の3人は、ウイルス蔓延る土地から生まれた生物・バーテックスと呼ばれる存在から神樹を守るというお役目を受けていた。

神樹の張った結界内に侵入した敵を迎撃し、追い返す。

初めは足並みの揃わない3人であったが、お互いの性格や強みに気付き、友情を深め、かけがえない日常を紡いでいく

順調に思われた防衛任務であったが、それまで1体ずつであったはずのバーテックスの襲来は、ある日、3体同時に行われた。

須美、園子の負傷により、三ノ輪銀は、1人で果敢に敵に立ち向かった。

そして、彼女は、文字通り、死闘を繰り広げたのだった。

神樹の力を使うことができる勇者は貴重な存在であるため、これ以上犠牲を出すわけにはいかないと判断した大赦は、「勇者システム」を開発した1人の勇者に精霊が1体つき、勇者の武装を強化する役割を果たす

そしてその後日、敵は襲来した。激しい戦いになることは予想され、ここでも、1度に3体のバーテックスを迎撃することになった。しかし、精霊を得た2人も負けていなかった。「満開」を遂げた彼女たちの攻撃力は、敵を一掃するほどであった。

だが、須美が3体のうち最後の1体レオバーテックスに致命傷を与えたところで、彼女は力尽きてしまう。

園子は、須美の意思を継ぐように、見事レオバーテックスを倒した。

そのはずだった。しかし、謎の角錐形の物体が浮遊し、結界の外へ出て行ってしまう。園子は、身の異変を感じながらも、結界の外へ足を踏み入れた。そこは、溶岩のように赤く染まった大地が広がり、無数の星屑バーテックスが蠢いている世界だった。

例の角錐に星屑が集結し、新たにバーテックスを形成し始めていた。

そしてその時、園子は、自分の身体に何が起きているのかを理解した。

そして「勇者システム」を理解した。

須美のもとへ戻り、彼女に「ズッ友」であると誓った。

振り返れば、すでに10体以上のバーテックスが形成されていた。

園子は、不死鳥のごとく舞った。

 

 

【『鷲尾須美』について】

気になる点をいくつか挙げた。

・赤嶺家 

・変身

・レオバーテックス

・大橋の存在 

・シンカの儀

・満開

・「いつ見ても変な散り方」

・須美の受ける神託

・これって何ですか

 

 

赤嶺家

たびたび映る瀬戸大橋のカット。

その端には、石碑のようなものが7本立っており、入り口を塞いでいる。

石碑には、家の名前が書かれている。

画像では読みにくいかもしれないが、左から

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赤嶺家・三ノ輪家・高嶋家・土居家・乃木家・上里家・伊予島家・鷲尾家・白鳥家である。

 

ちなみに話数によって順番が違った。制作のミスか、意図的(例えば違う場所のカット)かは定かではない。

f:id:chimishira:20171119211339p:image左から、白鳥家・土居家・赤嶺家・三ノ輪家・鷲尾家・乃木家・高嶋家・上里家・伊予島家。

で、三ノ輪家・鷲尾家・乃木家に関してはいいのだが、残りの家は何なんだという話である。実は『乃木若葉は勇者である』に出てくる勇者と巫女の家なのだ。

勇者である土居球子・伊予島杏・乃木若葉・高嶋友奈と、巫女である上里ひなた。ちなみに白鳥家であるが、『乃木若葉』時代には実は諏訪地方にも勇者がおり、白鳥歌野という。

先代の勇者たちや名家3家は、つまりは大赦関係者である。故に、この7家は……

 

……あれ?赤嶺家?

 

赤嶺って、誰!?

 

そう、シリーズ通して“赤嶺”と名の付く人物がいないのである。

『乃木若葉』にて、諏訪地方にも勇者がいると前述したが、それはつまり諏訪に人類が残っていたということである。それと同様にほかの地方にも、生存者がいるのではないかという憶測がたった。北海道や沖縄はその可能性が高いという。結果、そこに人がいたかどうかはここでは説明しないが、『花結いのきらめき』にて、沖縄と北海道の勇者がオリジナルキャラクターとして登場する。

もしかして、赤嶺って、そのどっちかじゃない??

と思って、“赤嶺”を調べたところ、どうも沖縄の地名らしく、沖縄には赤嶺姓の人が多いそうだ。

キタキタキター!!!と思って、『花結い』のサイトに行ってみたところ、

 

沖縄の勇者:古波蔵棗

 

いや誰だよ!?!?

 

“こはぐら”と読むらしい。

 

一応、北海道も見ておくか。

 

北海道の勇者:秋原雪花

 

んもーーー!!!

 

じ ゃ あ “ 赤 嶺 ” っ て 誰 だ よ !?

 

※ちなみに『乃木若葉』を読んで、なんとなくの推察はできた。

 

 

・変身

神世紀はじめての戦闘となる、対水瓶座バーテックス戦。

少女たちは、変身の直前に、こんな祝詞を唱えた。 

アメツキニ キユラカスハ サユラカス

カミワガモ カミコソハ キネキコユ キユラカス

ミタマガリ タマガリマシシカミハ イマゾキマセル

ミタマミニ イマシシカミハ イマゾキマセル

調べたところ、「阿知女作法」と呼ばれるものの、「十一月中寅日 鎮魂祭歌」というものの一部らしい。

[阿知女作法:宮中及び神社等で歌われる神楽歌の一つ。本来は、神の降臨を喜び、神聖な雰囲気を作るためと思われる一種の呪文]

 

ちなみに、『結城友奈』で封印の儀に唱えるのはこれ。

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出雲大社とかで唱えられる神語らしい。

 

 

・レオバーテックス

「バーテックス・レオ」が正式なのかもしれないが、とりあえずは「レオバーテックス」。

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最強の敵である。通常のバーテックスは大きくても50m前後であるが、こいつに至っては100m。ちなみに、『結城友奈』5話では、複数のバーテックスと合体してレオ・スタークラスターを形成した。どうやら他のバーテックスを率いているらしい。

獅子座の名を冠するにふさわしい、荘厳なる威圧感。放射状に伸びた部分が、ライオンのたてがみを彷彿とさせる。

と、思っていたのだが、どことなく太陽っぽい。

むしろ太陽の方が近い?

星屑が群がった奴の御魂は、まるで太陽のようだった。もしかすると、こいつは太陽もモチーフにされているのではないだろうか。そういえば、バーテックスを造ったのが天の神なので、関連がないわけではないのかもしれない。

 

そして、レオバーテックスのもう一つの特徴として、

f:id:chimishira:20171119212408p:image『鷲尾須美』6話

f:id:chimishira:20171119212455p:image『結城友奈』12話

真ん中が開いて、星屑がうじゃうじゃ出てくる、である。『鷲尾須美』でも『結城友奈』でも確認できる。

ここで、間に溶岩のようなものが見えること、星屑が出てくることを考えると、

もしかして、間に見えてるのはレオバーテックスの向こう側?つまり、結界の外?

これも定かではない。ただ単純にあの隙間が燃え上がっているだけで、バーテックスは元々星屑の集まりであるから、星屑がそこからやってくるのもおかしくはない。

でももし、レオバーテックスが“ゲート”なのだとしたら、レオバーテックスは結界内にいても結界の外を繋いでしまう、ということなのだろうか。

レオバーテックスが本気だして、目一杯真ん中開いたら、やばいのでは?

 

 

・大橋の存在

『結城友奈』のOPで印象に残るのは、決壊した大橋ではなかろうか。

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そして『鷲尾須美』のOPで印象に残るのも、綺麗な大橋ではなかろうか。

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『鷲尾須美』にて、いわゆる瀬戸大橋跡地の合戦で、これまたレオバーテックスの御魂による疑似太陽の衝撃により壊れた(と思う。ちなみに、小説版では、魚座バーテックスが“壊す目的で”大橋を壊した)

f:id:chimishira:20171119221552p:image衝撃と熱で壊れる大橋。

 

大橋は、四国と結界の外を繋ぐ役目を果たしており、敵もそこからやってくる。

神樹が結界に使えるパワーにも限界があるため、神樹は一部だけ結界の力を弱めることにより、バーテックスが侵攻の際、そこから来るようにしている。その場所がたまたま大橋だったのか、大橋をその場所にしたのかは定かではない(多分後者だと思う)。

 

大橋入り口の石碑、あとなんかこの丸いやつ、

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それと車も通っていないので、大橋は完全に封鎖されていると思われる。

まあ、そりゃそうだ。

 

大橋の向こう側から樹海化は始まる(とはいえ、大橋付近の樹海化は完全ではないらしい)

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樹海時の大橋はなんだか神秘的で、三角形のようにして光が伸びている。

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向こう側から敵は来る。

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大橋が壊されたとき、三角を形作っていた光は消えていった。

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『結城友奈』では、大橋はおそらく機能していないように思える。何か代わりになるようなものはあったのか、よく分からない。

 

少し気になるのは、『鷲尾須美』1話にて、水瓶座バーテックスとの闘いに苦戦する中、須美が発した言葉。

「ワケ御魂の数がすごい……出口が近いんだ」

聞き違いでなければ、“ワケ御魂”と言っている。もしくは、“アケ御魂”。

水瓶座バーテックスとの戦闘シーンは、アニメ版と小説版で若干異なり、小説版にはこのセリフが存在しない。故に、“ワケ”に該当する漢字が分からない。

普通に考えれば“分け(別け)”である。というか意味が通るものでワケと読めるものがこれしかない。あとは“沸け(湧け)”?“若”もありえるのか?

とはいえ「分け御魂」とは何なのか

バーテックスの核となる御魂は、当時ではまだその存在自体も明らかになっていない。須美が言っているのは、おそらく訓練の時に聞いた用語なのだろう。星屑のことを「分け御魂」と呼んでいるのだろうか。星屑のことなら“沸け”も“若”でも無くはないかもしれない。

では「出口が近い」とは何なのか

出口が近いと、星屑の数が増えるということか。

いまいち腑に落ちなかった。

 

さらに、そのあとの銀のセリフ。

「(大橋から)出たら撃退できなくなるもんなあ」

え?そうなの!?

と思って、小説版を読んでみると、このセリフもアニメオリジナルだった。

しかし、小説版を読んでなんとなく分かった。

水瓶座バーテックス戦の終わり方は、小説版では、「彼が大橋の元のルートを辿って戻っていく」となっている。つまり、大橋から出てしまうと、バーテックスが戻るべきルートの範囲外に出てしまうということである。目的はあくまで“撃退”だから。

 

 

・シンカの儀

小説版の水瓶座バーテックス戦の結末は、前述の通りだが、アニメ版はこうだ。

大橋から伸びる三角状になった柱の頂点が光り、地面から天に向かって光の粒子が昇っていく。あたりは霧のようなもので包まれ、空からは花びらが散る。そしてかのバーテックスは、忽然と姿を消した。

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これを、園子は「シンカの儀」と言った。

 

……なにそれ?

聞いたことないんですが?

しかも、これまた漢字が分からないのである。イントネーション的には“進化”だが、さすがにそれはないだろう。とはいえ“神化”ではイントネーションが違う気がするし、結局、“神華”が妥当なところかと思う。もしくは造語の可能性だ。

しかし、この「シンカの儀」も撃退にすぎないことは変わりがないらしい。

これもあまり腑に落ちていない。

 

 

満開

須美と園子の満開シーン、1本の大輪の花が咲く。

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牡丹である。牡丹は、銀のモチーフとなる花である。銀が傍で見守っているというメタファーなのか、システム的に銀の力が満開の際のパワーに加えられているとかは分からない。

 

話は変わるが、銀にまつわるメタファーを幾つか。

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f:id:chimishira:20171119222508p:image3話。皆で遊んだ帰り道。1人だけ違う帰路を辿る銀を、須美が一旦引き留める。

 

f:id:chimishira:20171119222542p:image4話。遠足でアスレチックを勇気と根性でこなした園子、まさかの跳躍でゴールするが、しっかりと受け止める銀。

 

f:id:chimishira:20171119222610p:image調子に乗っていた銀、アスレチックから落下。須美と園子が手を伸ばすも、微妙に受け止めきれていない。

 

f:id:chimishira:20171119222715p:image次の戦いにむけて手を重ねる3人。一番下は銀の手で、2人を支えるかのように、1人だけ掌が上を向いている。

 

満開について、神樹の根の描写が少し気になった。

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根の色が失くなっていくのだ。おそらく『結城友奈』ではこのような描写は見られず、勇者システムの初期ということもあり、相当量のパワーを勇者に供給した結果だと思われる。

f:id:chimishira:20171119222947p:image心なしか『結城友奈』より供給されている気がする。

そのため、2人の供物は、かなり“重い”ものだったのではないだろうか。

 

 

・「いつ見ても変な散り方」

満開し、バーテックスを撃破したときに、須美が放った一言である。

「シンカの儀」によるものではない。

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『結城友奈』では、バーテックスは撃破が当たり前であるため、もはや定番のシーンなのだが、『結城友奈』においても、須美(東郷)は、この散り方を気にしていた。ちなみに、恐らくそれは2話なのだが、2話は勇者部としての初戦で戦えなかった東郷が、初めて意を決して参戦する回である。奇しくもその際、かの射手座・蟹座・蠍座チームを倒すのである。

「散る」という表現が使われているが、まるで天に還るかのような様子。この頃の彼女たちは、バーテックスが神に造られたものだと知らないのだ。

 

須美の受ける神託

5話。須美は不気味な夢を見た。

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「大きな敵が来る……。あの夢はきっとその知らせ。闘いはもっと激しくなる……」

 

6話。

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なんとなく樹海化が起こることを察する須美と園子。夢を思い出したか、イメージが頭に浮かんだか、同じシーンが入る。

ひょっとしてこれは神託ではないだろうか。『乃木若葉』にて、神樹からの神託を受けているのも少女であった。神託とは、抽象的なイメージとして伝わってくるものらしい。

まさしく須美が想起したのは、神託に近いものである。巫女としての適性値も高い、というか神の力を受けやすいのだろう。愛国心故か?

 

 

これって何ですか?

須美と園子の両親に、勇者システムの説明がなされた。

須美の母親は、

「それじゃあ、あの子たちはまるで生贄じゃないですか!!」

と、やはり怒りを隠せないようだった。

園子の両親は「園子が神授と共にあることは、とても光栄なこと」と悲しみながらも割り切ってしまっていた。

そんな時、乃木家に置かれた植物のカットが挟まれている。

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何だこれは。植物に詳しい人、教えてください。

 

 

【『結城友奈』について】

気になる点はこちら。

・鏡の中の夏凜

・夏凜の兄

・犬吠埼夫妻

・勇者部以外の勇者

・天の神、バーテックス

・供物の返還

・バーテックス襲来の鎮静

・結城友奈

 

 

鏡の中の夏凜

4話。皆でカラオケに行った時、トイレで大赦からのメールを確認していた風。そこへ夏凜がやってきて、こんなことを言った。

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「あなたは統率役には向いてない。私ならもっと上手くやれるわ」

ここの夏凜が、ほとんど鏡の中で喋っているのである。

演出として色んな解釈ができそうですが、何なんでしょうね(私は放棄した)。

 

 

夏凜の兄

夏凜の兄は大赦に務めており、若いながらに重役を担っているらしい(『結城友奈は勇者であるS』より)。

重役、ということは、当然勇者システムのことも知っていたはずではないだろうか。それを知りつつ妹を戦闘のために育成したのだろうか。とんでもない兄だな。勇者部と夏凜が仲良くなって、自分の居場所が見つけられたから良いものの、あのまま夏凜がひとりぼっちだったら相当辛い事態になっていたぞ。

今後、物語に関わってくる可能性もなくはない。

 

 

犬吠埼夫妻

すなわち、風と樹の両親である。「両親が亡くなったことを大赦から知らされた」と風はモノローグで語っていたが、「え?なんで大赦から!?」と一瞬でも気にかかったそこの貴方。教えましょう。小説版『鷲尾須美』に書いてありますが、そこまで重大なネタバレではないと思うので言ってしまいますね。実は、風の両親は大赦に勤めいた。しかし、ある日大橋が崩壊。犬吠埼夫妻は一般市民を避難させるも、自身たちは落命したのだという。そういえば、風が大赦の使者だったこともすんなり受け流されていたが、そもそも一家大赦関係者だったのだ。

 

 

勇者部以外の勇者

四国全土に勇者適性のある少女たちはいた。たまたま讃洲中学勇者部が選ばれた(恐らく友奈の適性値の高さが故)わけだが、選ばれなかった勇者候補の扱いとはどうなっているのだろうか。

というか、他の勇者候補も対戦に参加すればよかったのでは?

満開という残酷なシステムを開発しなくとも、勇者の人数が多ければ、皆軽傷で戦いを終えることも可能だったのではないだろうか。

しかし、恐らくこれは、神樹の力をそこまで供給出来ないのが原因だろう。

『鷲尾須美の章』では訓練済みの勇者が戦うのに対し、『結城友奈の章』ではそういう経験のない者を前提として勇者としている。一定の戦闘水準にするために、そもそも力を供給しなければならないため、犬吠埼班のみが勇者になったと思われる。

 

※『鷲尾須美』の小説版にて、同様の記述を確認。

※現在、電撃G'sマガジンに掲載中のノベル『楠芽吹は勇者である』は、『結城友奈』時代に選ばれなかった勇者候補の少女たちを描いている。

 

 

天の神、バーテックス

大赦による説明では、バーテックスはウイルスから生まれた生物だとされていた。

しかし、園子の説明によれば、「バーテックスとは、天の神が粛清のために遣わせた、生物の頂点」である。

バーテックスが人類、および人類が創造した文明にのみ攻撃をする(『花結いのきらめき』より)ことから、天の神の目的は「人類に対する粛清」だと考えられる。個人的に不安だったので一応調べたが、[粛清=きびしく取り締まって不正な者を排除すること]である。

有りがちな視点としては、まるで自分たちが生物の頂点であるかのように振る舞い、地球を滅ぼしうる危険のある人類に対し、天の神(創造神;天之御中主神と仮定した)が怒りを覚えた、とかそんなところだろう。

ちなみに、『花結いのきらめき』では造反神とかいうのがいるらしく、バーテックスとは別の敵(偽バーテックス)を創りだし、勇者たちと対戦している。創造神は世界をあるべき姿に戻すため人類を滅ぼそうとするのに対し、造反神はただ単に世界を壊そうとしている、といったところだろうか。

 

※『乃木若葉』にて、「人類の増長」が粛清される原因、という記述を確認。

※『花結いのきらめき』における造反神は、「神樹を構成する土地神のうち反逆を起こした神」のことらしい。 

 

 

供物の返還

・バーテックス襲来の鎮静

神樹が供物を求める理由は、勇者システムの開発により、精霊に勇者を守らせる為の力、および勇者の満開時の力を多く供給しなければならないためである。

最終話にて、供物が返還された(風曰く「神樹様は供物を求めなくなった」)ということは、

「勇者システムがなくなった」

か、

「今までの戦闘で供給した力が、何らかの形で神樹に戻ってきた」

か、

「結界を張るのに必要な力が節約できるようになった」

の、いずれかと考えていいだろう。

「勇者システムの廃止」に関しては、いくら襲来が鎮静化したとはいえ、システムそのものを廃止するのは流石に考えにくい。

「かつての供給分が戻ってきた」は友奈と絡んでいる可能性がある(後述)

「結界の節約」はバーテックス鎮静時の今なら結界の力を弱めていたとしてもおかしくはないだろう。

 

さて、そのバーテックス襲来の鎮静であるが、これはバーテックス側の一時的撤退だと考える。

『乃木若葉』において、バーテックスが高度の知性を持っていることが説明されており、星屑のときから、戦闘法を変えたり、勇者側の様子を窺ったりと、彼らも闇雲に攻撃を仕掛けてくるわけではないとされている。それを考えれば、人類にレオバーテックスを倒された今、彼らは一時的に撤退し、次の攻撃の準備をしているところと考えて良いだろう。

 

 

 ・結城友奈

最後に、一番多くの謎を孕んでいる友奈について。

 

まず友奈の素性についてだが、実はあまり明かされていない。

『乃木若葉は勇者である』において、結城友奈と瓜二つの高嶋友奈が登場するが、キャラクター説明は以下のようになっている。 

勇者チームのムードメーカー。明るく元気いっぱいで、他人の気持ちに敏感、周囲に気を遣う子。(中略) 人の話は全力で聞くが、自分の身の上話などは、あまりしようとせず、私生活などにおいては謎も多い。

いや、結城やん。

ほぼほぼ結城と一緒やん。

結城と高嶋に何らかの関連性があるとして(まあない訳ないのだが)、性格について同じような側面があるとするならば、結城友奈も身の上話をすることはあまり無いと考えられよう。

事実、第1話、幼稚園での人形劇のシーンで、友奈のモノローグが入る。東郷と、風と、樹の紹介、そして「私たちは勇者部です」的なことを言って終了だ。

…………ない。

あるべきセリフがない。

「私、結城友奈!運動と押し花が好きな中学2年生!」

とかモノローグの最初に言うべきなのだ。友奈は自分以外のキャラ紹介をして、モノローグを終えるのだ。

高嶋友奈に至ってはプロフィールにわざわざ書かれるくらいなのだから、制作者の意図としては、これを予備知識として共有しておきたいということである。

結城友奈に関しても、十分考察の素材となりうるものだ。

結城と高嶋の関連については、『乃木若葉』を読まないと何とも言えないが、「結城・高嶋 同一人物説」も挙がっている。果たして。

 

※『乃木若葉』にて、関連性を確認。しかし、容姿や性格が酷似している点について説明できる記述は無かったと思われる。かといって、同一人物という線は極めて薄い。個人的に「生まれ変わり説」を挙げておこう。

 

最後にレオバーテックスを倒した際、勇者部5人が仰向けで寝そべるシーンがある。精霊が消え、かつて供物として捧げた部位には花びらが舞っている。

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友奈を除いて。

f:id:chimishira:20171119223556p:image非常に見にくいかと思うが、精霊は消える直前に彼女たちの前に出現。しかし牛鬼だけいない。

f:id:chimishira:20171119223622p:image花びらが見当たらない

4人に供物が返還され始めた時も、友奈は未だ植物状態同然であり、だいぶ時間が経ってから復活を遂げる

文化祭で行った演劇のラストシーンにて、友奈は突然その場に倒れてしまう。本人曰く、立ちくらみである。

友奈の復活に時間がかかったこと、立ちくらみがすることに関しては、友奈が戦闘の際、死力を尽くしていたから、と説明が出来ない訳ではないが、やはり花びらのシーンに何らかの意味を求めるならば、軽視し難い事実であり、放送終了当時からかなり注目されていた案件である。

当時、ネット上では「友奈 勇者継続説」が挙がった。

友奈だけお役目を続行しているというものだ。

友奈だけ精霊が消えず、花びらが散っていないことから、供物も完全に返還されていないのでは、と考えられた。文化祭で立ちくらみを起こしたのも、実はあの瞬間友奈はお役目をして戻ってきたのであり、現実世界においては友奈が一瞬気を失っただけに見えているのだ。

 

本作の円盤1巻の特典ブックレットにおいて、友奈のこんなプロフィールが書かれている。

友達のためなら命を懸けてしまう危うさを持っている

割と決定打になり得る事実だった。物語を見ていてもなんとなくは垣間見えることだったが、高嶋友奈同様、公式が提示してくるというのは、れっきとした意図があるということである。

 

極め付けは、最終話。文化祭の演劇「明日の勇者へ」内のセリフである。東郷が植物人間状態の友奈に読み聞かせるシーン。

「気がつけば、勇者はひとりぼっちでした」
「勇者がひとりぼっちであることを、誰も知りませんでした」
「ひとりぼっちになっても、それでも勇者は戦うことを諦めませんでした。諦めない限り、希望を失うことはないから」
「何を失っても。それでも」

劇中の勇者と、友奈を重ね、思わず泣き出してしまう東郷。一緒にいてくれると言った親友が戻って来ない。鷲尾須美時代から、また果たせない約束が出来てしまった。

いつ見ても胸が締め付けられるシーンだが、我々もこのセリフと友奈を重ねる。

ひとりぼっちの勇者。

皆は勇者が独りであることを知らない。

それでも諦めない勇者。

そんなことができ得る少女を、我々は知っているから。

彼女なら、たった1人で戦い続けても、おかしくないから。

嫌なんだ。誰かが傷つくこと……辛い思いをすること……
皆がそんな思いをするくらいなら、私が、頑張る!!!(『結城友奈』1話より)

 

少し話は変わる。

8話、友奈と東郷が、園子と対面した時、「勇者システム」について聞かされた友奈がこう言っている。

「勇者システムを変える方法はないんですか!?」

それに対し、園子は

「神樹様の力を使えるのは勇者だけ。そしてその勇者になれるのはごくごく一部。私たちだけなんだよ」

と、答えにならない答えを言っているのだ。きっと園子自身もシステムを何とかしたいという気持ちがあるのだろうが、もはや神のようになった自分でも、どうしようもないことを悟っているのだろう。

その後、大橋から大赦に送られる車中で、ショックを隠せない様子の東郷に対し、友奈は

「何とかする方法を見つけてみせるから」

そう言って、東郷を抱きしめるのだった。

これ以降の回で、友奈がシステムの打開策について言及することはなかった。

システムそのものの衝撃が大きかったため、記憶に残りにくいのか、なかなかネット上でも注視されていないであろう、システムに対する友奈の考え。しかし、恐らく、これは重要なカギである。

もしかして、友奈は勇者システムの打開策を見つけたのではないだろうか。

そしてこれが、友奈にまつわる諸々を解決する糸口になるのではないだろうか。

「友奈 勇者継続説」が真っ当なものとするならば、システムの打開策こそ、「友奈が1人で勇者を担うこと」と考えていいだろう。

更に、神樹が供物を求めなくなったことと関連するならば、その打開策は、友奈が神樹に何らかの形で力を供給するものなのかもしれない。

それが、最も友奈らしい答えだからだ。

 

しかし。

いやしかーし!!!

そんなことがあっていいのだろうか!?

友奈が1人で戦い続けてるなんて、おじさんそんな辛い現実受け止められないよ!?!?

そんな方にオススメなのがこちら!!!

「やっぱり皆で勇者部だよね!説」

最初は4人。夏凜が加わって5人。最終的には6人になるが、やはり誰も欠けてはならないのが讃州中学勇者部。お役目があろうとなかろうと、皆揃って勇者なのだ。

4話。樹だけ勇者から外すよう大赦に反抗しなかったことを後悔する風に対し、樹は皆と戦えることが嬉しいと答えた。

同じく4話。歌のテスト本番を控えた樹。緊張で不安が募るが、音楽の教科書からは1枚の紙。勇者部全員からのメッセージだ。「皆と一緒にいる」「自分は1人じゃない」そう実感した樹は、自分の歌に自信が持てた。

3話。誕生日を祝われた夏凜。

6話。勇者の役目が終わっても、自分を価値ある人間として勇者部に受け入れられた夏凜。

11話。夏凜大赦の勇者として戦うのは辞めるわ。これからは、勇者部の一員として戦う

最終話。東郷へ一緒にいるよ。ずっと・・・・・・

同じく最終話。友奈の最後のモノローグ「何だって乗り越えられるんだ。大好きな、皆と一緒なら

ED『Aurora Days』より「ひとりひとりが 違う色で みんな輝くことができるんだ

イメージソング『勇気のバトン』より「小さなチカラが ほら束になる 一人じゃないから もう怖くないよ

 

皆でひとつ。

皆で紡ぐ日常。

それはひとつひとつ大切な、かけがえのない思い出になる。

 

そりゃそうだよ。

1人で戦うなんて、流石の友奈でも厳しいよ。

そんなの、友奈が神様レベルにでも強くならないと。

………。

……………??

神様レベル………??

こうして私の中に「友奈 もはや神様になっちゃった説」が脳裏を横切るのであった。

 

 

【『乃木若葉は勇者である』について】

西暦2015年7月3日、世界は突如として、謎の生物に襲われた。人類が抗う術などなく、ただ彼らに食い殺されていくその中で、神の力を得た少女たちがいた。

2018年、乃木若葉土居球子伊予島杏高嶋友奈郡千景の5人の勇者、そして上里ひなたという1人の巫女は、四国を、神樹を、守るため、未知なる敵と戦うこととなる。

 

電撃G'sマガジンに掲載されたイラストノベルである。単行本は上下巻が発売中。

神世紀時代との違いは、バーテックスの研究があまり進んでいないことや、精霊の仕組み。それと作品の印象として、人間らしさというか人間臭さが、『結城友奈の章』などに比べると割と前面に出ていると思う。『結城友奈』に見られなかった、チーム内でのギクシャクというのがこちらにはある。

勇者であるシリーズが、その設定や世界観から度々『魔法少女まどかマギカ』と類比されることがあるが、人間模様の描き方が、『乃木若葉』では結構近しいものを感じた。

ついでに言うと、精霊の使用によって“穢れ”が蓄積するという設定で。『まどマギ』のソウルジェムを連想する人も多いはずだ。

あと、『鷲尾須美の章』を見た人は分かると思うが、もちろん西暦時代においても勇者システムは存在しない。故に、彼女たちは死と向き合う場面もあるということだ。

他には、“大赦”が“大社”だったりとか、外の世界はまだ支配されてなかったりとか、お役目のことが公になっているとか。このあたりは読み進めていけば、理由は分かるだろう。

そしてやはり、高嶋友奈の存在だ。彼女が神樹に取り込まれたという事実は、結城友奈の存在、更にはこれまで述べてきた「勇者システムの打開策」に関連があると思われる。

人類が対抗し得ない未曾有の出来事。壊された日常、失われた人、絶たれた希望。そんな描写は、なんとなく、3.11の大震災を彷彿させた。守るのは、自分か、未来か。そんな揺れ惑う人々の末路を、勇者たちはいずれ目の当たりにすることになる。そう、人間臭いのは、勇者たちだけでなく、一般人もなのだ。

思えば、この作品は、ヒトラーの演説とか、第二次世界大戦時の日本とか、何かといつぞやの世界を連想させるものがあった。戦争や天災がなくとも、現代は国際情勢が悪化し、重大な地球規模の環境問題を抱えている。人類の増長に、天の神が下した答えは、粛清。勇者がいない限り、この世界は確実に滅びてしまうのだ。無垢な少女たちが引き受けた運命は、あまりにも残酷だが、もしかすると、それは必然なのかもしれない

あ、そうそう、それと百合要素が凄い!!!ハンパじゃねえ!!!むしろこんだけ百合濃度高くないと、とてもじゃないけど辛すぎて読み進められない。 いや逆か!?百合百合してるから余計辛いのか!?

あと、日本神話要素も結構入ってた。「根の堅州国」とか出てきたし。勉強したくなっちゃったよね。 というか多分知ってる人はもう少し考察の幅が広がると思う。大社一時的に天の神と和睦する元ネタに関しては、正直私は、いまいちひなたの言ったことがよく分からなかったし……

 

 

【終わりに】

『勇者の章』って正直何なんだ?と思っている。

友奈はさておき、前述の通り、神樹は供物を求めなくなり、残りの4人に関してはお役目から解放されたはずである。

なのに何か戦う気満々の勇者部

そういえば『花結いのきらめき』も時系列的には『結城友奈の章』が終わったあとであり、なのに樹海化が発生し「手元には“何故か”不要になったはずの変身アプリが戻っている」という設定になっていた。しかしこれについては、前述したが、造反神の出現というちゃんとした理由がある。

『勇者の章』で、勇者部がまた戦わなければならない理由(本当のことを言うと、公式はバーテックスの襲来を明記しているわけではないが)は、「早くもバーテックスの逆襲の準備が整った」「造反神がこちらでも出現した」、もしくは全然違うものかもしれない。

結論として、友奈が勇者システムの打開策を見つけたという所に至ったが、その打開策の内容如何で、このシリーズ全体のゴールが決まる気がする。ゴールというのは、結局は終わり方ということである。

未だ四国の外は、バーテックスに支配された世界である。

仮にハッピーエンド的なもので終わるならば、「バーテックスが侵攻してきた場合、勇者が身を挺して戦わなくとも殲滅することができるようになる」とか「そもそもバーテックスが侵攻できないほどに強力な結界が張られる」とか「壁の向こうのバーテックスを全滅させちゃう」とか「もう天の神を倒しちゃう」とか「やっぱり天の神と和解する」とか「友奈が因果律そのものに対する反逆的な発想で世界の理を丸ごと再構築しちゃう」とか。

この匙加減が、友奈の見つける打開策で左右されると思うのだ。

 

ここまで語っておいて、全然違う展開だったら頗る恥ずかしいのだが、それでも胸熱展開になるのは必至だろう。

 

皆も、にぼし出汁の肉ぶっかけうどんを食べて、デザートに牡丹餅を嗜みながら、最終回を見届けよう!

 

正直6話で終わる気がしません。 

 

 

【追記】

なんとこの記事を投稿しようとした直前、公式から新たな情報が解禁されました。

 

まずは新キービジュアル。なんで2人が違う世界にいるみたいな感じになってるんですか!?!?

 

そして新PV。

www.youtube.com

 

樹のタロット占い。

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スリーカードのやつだとすると

過去が「恋人」の逆位置(不調和・選択の誤り・迷い・)

現在が「正義」の正位置(冷静・因果の一致・正当・決断)

未来が「運命の輪」の正位置(変化・転機)

ですかね?意味は軽く調べた程度なので微妙かもですが。

 

なんか烙印っぽいの出ましたね。

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誰かの身体に刻まれてるみたいですが、おっぱいの感じからするに、東郷?

そういえば、東郷が「私は、償わなくてはいけない」って言ってますね。

 

あ、満開してる人がいる!!

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そして、サブタイトルも公開。放送前にサブタイ出すのは『Charlotte』もやってましたね。

今回も花言葉だったみたいなので、急いで調べました。違ったらすみません。

第1話「華やかな日々」:グロキシニア

第2話「大切な思い出」:カエデ/モミジ

第3話「あなたを思うと胸が痛む」:トリトマ

第4話「秘めた意志」:杜鵑草

第5話「清廉な心」:クレマチス

第6話「君ありて幸福」:ゼラニウム

 ちなみに、『結城友奈』のサブタイはこちら。カッコ内はモチーフキャラ

第1話「乙女の真心」:コスモス
第2話「ろうたけたる思い」:菊(須美
第3話「風格ある振る舞い」:牡丹()   
第4話「輝く心」:オキザリス()  
第5話「困難に打ち勝つ」:山茶花 
第6話「明日に期待して」:ラベンダー 
第7話「牧歌的な喜び」:黄スミレ
第8話「神の祝福」:青バラ(園子
第9話「心の痛みを判る人」:鳴子百合()       
第10話「愛情の絆」:アサガオ(東郷
第11話「情熱」:ヤマツツジ(夏凜)
第12話「貴方に微笑む」:ヤマザクラ(友奈)

『勇者の章』の花はキャラクターと関係あるんでしょうかね。『乃木若葉』のキャラにもモチーフの花はありますが、誰一人として被ってませんでした。

 

追記終わり。

https://twitter.com/anime_yukiyuna/status/932534279376011264