今週のひとつ 第12回

 

こんばんは。

明けましておめでとうございます。

本当は昨日のうちに書いてあったんですけど投稿するの忘れてました。

 

灼熱スイッチ

作詞: 只野菜摘

作編曲: 田中秀和(MONACA)

歌: 雀が原中学卓球部

灼熱スイッチ - YouTube

 

アニメ『灼熱の卓球娘』のOPです。

そういえば、原作漫画が打ち切りになるとかならないとか。

続いてほしいけどなあ。

アニメの放映自体は2016年秋なんですが、

最近、また注目を浴びています。

ゆゆうたニキのせいです。

彼がイキスギコードとか言うからです。

まあリリース当時から、そのコードの異質さには多くの注目が集まってました。

 

通常ポップスに用いられるコード進行は、「安定→不安定→安定」の構造を持っているため、ドラマチックな印象を与えます。

メロディ(というかフレーズ)の始まりには、安定した音を持ってくるのが基本です。理由は、気持ちいいからです。

不安定→安定の流れを作るためには“解決”をする必要があります。(ドミナントモーションなど)

解決には、通常のように一番安定した音を持ってくる場合もあれば、

逆にそのように期待させておいて、少しズラした音を持ってくることもあります。多少の違和感を残しつつ、気持ち良く終わるという、非常に美味しいやつです。

 

「灼熱スイッチ」で注目されているのは、サビの頭、Gaug/F。(この曲のキーはG。)

で、それって何なんだという話。

「aug」ってのが曲者でして、Gはソシレなんですけど、Gaugはソシレ♯なんですよ。

レ♯っていうのはですね、キーGのスケール(旋律)に含まれない音なんですよ。

でさらに、Fですね。ベースがFなんです。Fもスケール外の音なんですよ。それがベースって何ですか。

かと言って使う機会がない訳ではありません。本来、こういう音というのは、繋ぎに使われることが多いのです。解決をよりスムーズに行うために用いるとかなんとか。

だからこいつは、装飾的に使われるべき和音なんです。

なのに!!

サビの頭で!!

何考えてんの!?

という話です。

このコードの役割については色々解釈ができるようですが、

サビの冒頭で解決を行わず、やはり繋ぎとしての位置付けをしていることには変わりがないそう。

こんな変態みたいなことして、歌は成り立ってるんですから、もうそりゃド変態ですよ。

 

ちなみにこいつがイキスギコードな訳ですが、実は日本ポップス特有とかいう噂。

ジャズとかの世界にはおそらくあるんですが、それをポップスに使っちゃうなんて。

なんでも、名前が付けられていなかったので、比較的最近、海外の方が命名したそうですよ。

その名も「Blackadder Chord」だ!

なんでこんなカッコいい名前なのに、イキスギコードなんて……(ゆゆうた氏の言うイキスギコードはブラックアダーには限らないらしいけど)

これについては詳しく解説されている方がいたのでBlackadder Chord(イキスギコード、分数aug)とは?使い方も解説 │ サッキーのさっきの出来事をどうぞ

 

まあそこだけじゃなくて、「灼熱スイッチ」には田中節がふんだんに盛り込まれています。

パーカッション的に、卓球のラリーの音が使われてるんですよ。センスありすぎか?

あとは落サビ前のBメロはコードが違うとか。

インスト版も超良いです。

 

そんな訳で今回はここらで。

今年もよろしくお願いします。